僕は幸運にも経済学博士をいただいていますが,上記の答えを導くことができていません.
そして,生態系サービスと経済学と謳っている以上,ぼんやりとでも経済学って何のためなのか迫らなくてはと常に悩んでいます(まじめくんだからね^^;).
そして,生態系サービスと経済学と謳っている以上,ぼんやりとでも経済学って何のためなのか迫らなくてはと常に悩んでいます(まじめくんだからね^^;).
ただ,「こういうことかな・・・」というものは持っています.
それは,以下のとおりです.要素ごとに分けてみます.
・経済学者は,「周りに何か複数の問題が生じている場合で」「対策に使える資源(ヒト・モノ・カネ・時間)が限られているときに」「どのような優先順位と」「優先順位ごとにどのような資源の規模で」「複数の対策を行うべきかという際の」「『処方箋を描ける』社会経済の『お医者さん』」である
・しかも,他の学問では上記のことはできない
・裏をかえせば,それ以外の状況では無力かもしれない
こんな感じです.
1. 「周りに何か複数の問題が生じている場合で」
これは大切なんです.
つまり,「何も問題の生じる可能性がなければ,ほっといていいんじゃないの?」ってことです.
ただ,可能性があれば(ないしその可能性が極めて高ければ)やっぱり経済学者はお仕事しなきゃです><
2. 「対策に使える資源(ヒト・モノ・カネ・時間)が限られているときに」
どんな対策もただではできないので,なぜそのような対策におカネをつかうのか,というような理由付けが必要になります.
3. 「どのような優先順位と」
環境保全が絶対,とか,貧困問題解決が絶対,というような,「~は絶対しなきゃいけない」という立場を経済学はとりません.
あくまで虚心坦懐に,どのような課題もフラットに扱うのが経済学者の流儀であり,経済学の存在意義だと思います.
4. 「優先順位ごとにどのような資源の規模で」
そりゃそうですよね^^; 優先順位が決まったからといって,例えば予算は限られているわけですから,どんな予算規模で実施するか・できるかも考えなくてはなりません.
5. 「複数の対策を行うべきかという際の」
まず,社会経済に生じる問題はひとつではないために,複数の対策を同時実施することは念頭に置かなければなりません.
同時に,上記に出てきた『資源』には限りがあり,全ての対策を行えないかもしれないわけです.
6. 「『処方箋を描ける』社会経済の『お医者さん』」
1.~5.までの状況で,どうしたらいいかコメント・アドバイスできるのが経済学と言っていいと思います.他の学問ではできません.
ということを前提にしたときに,「経済学部に入学してどのような良さがあるのだろう?」という問いがあります.
×資格試験に有利
△社会科学的思考が身につくことで就職後の人生に役立つ
だと個人的に思っています.
そうではなく,
○社会経済のお医者さんになれるような考え方やディスカッションの仕方を学ぶことができる
これが経済学部入学の良さなのではないか,と思います.
病気を治すお医者さんの(基礎)研究を行っているような医学は,時に倫理・哲学的な側面から批判されることがあると思います.
社会経済の病気を治すお医者さんの(基礎)研究を行っているような経済学も同様です.
「その治療法を提案するのって,人間としてどうなの?」
とか
「その治療法を発見するまでに使った研究手法って・・・?」
というような批判にさらされるという例を挙げれば想像できそうです.
そういうことに一生懸命気を付けながらも,経済学者や経済学を学んだ人々は・・・
「様々な課題に対して論理的に優先順位をつけて対応することができる」
そんな訓練が身につく学問と思ってやみません.