2009年12月5日土曜日

生態系サービスの複雑さ

毎度,なかなか良い感じに記述していない当ブログですが,今回は短いながら,「生態系サービスの複雑さ」を,目に見える形でご紹介したいと思います.

やはり,先だって紹介したMAは外せないようです.



Nakashizuka (2009) より抜粋

矢印があっちこっちに飛んでますね.しかも,色が濃いほど社会経済との結びつきが濃くて,太いほど生態系サービスとしての関連の深さを示している図ですので,紹介します.

「Aという生物がBという生態系サービスを持っているとは言いにくい」ことは先だって示しました.

もちろん,いろんなことが言えますが,とりあえずは・・・

1) 社会経済と生態系サービスの結びつきの濃さ
2) 生態系サービスとしての性質そのものの濃さ

2つが複雑で,一言では言いにくいってことだと思います.

2つの要素が複雑であることが分かれば,このように言えませんか.

1) 考え方を複雑にしている原因が分かった
2) 考え方が複雑であることを念頭に置いて語らなければならない
3) 考え方をもっと簡単にできる方法を考えなければ・・・

正しいかどうかは議論の余地がありますが,案外に3) が重要な気がするのは僕だけでしょうか・・・

本来は「みんなで考えましょう」と謳って,もちろん正確性・厳密性はものすごく大切ですが,「みんなにとって分かるように言う」ことを,同じくらい重要視する必要はあると思います.

【参考文献】
『生態系サービスと人類の将来』,Millenium Ecosystem Assessment 編,横浜国立大学21世紀COE翻訳委員会 責任翻訳,オーム社,2007年.

Nakashizuka T. (2009) Comment for the Planning Session by FFPRI at 56th Ecology Society of Japan, Morioka City.